夢幻の構想(龍 鷹 編著)の中に「ドンベ6789」(中村 茂 作、連珠世界 1980年1月号)という面白い作品があります。
解図をするだけなら人間にとってもプログラムにとっても簡単過ぎるくらい簡単ですが、受け手の最善応手がPassであるところが非常に面白いです。このように状況が悪化する手しかない状況を「ツークツワンク」と言います。
実はこの局面は少し特殊な局面で盤面左上に黒の四が二つあり白番が黒の四を見落とさなければこの局面は生じえないため「正規局面」ではありません。VLM Analyzerも実行時に
The move sequence is not a non-terminal normal sequence: hhggfgef...
とwarningを吐きますが、局面指定を[a-o]形式で
./vlm_analyzer -s hhggfgefdecfbeafaebfdfdhchbgahagbhbjaiajbicjcididjckdkdlekflfkgjgifhghhgihigjgjhiijijjijhihjfjfiejelclbkalakblbnamanbmcncmdmdnemfnfmglgkhlhkilikjkjlkklllkmjmilimhmgnhngohogmeldkciajbjakalakbiblbmaoanalcmbmdmcndncodocoenfneofoinjniojmlmkljlmmmmnnmnnomonolnknloklnkmjnjmimhngmgnhminjoiokomolonofogoeocodobobahahehfgejeielefemfenhoknklkjooabnbfdobceaolglhkfkejfkdjckikgkhlfjdidgffffcgaifeaccdabdadeicgehdgiceghcgchdhbgdfbecdbgbebbcdccdcbedcafaac
で与えれば正しく解図することができます。
プログラムの中でPassをちゃんと考慮しているか見るにはよいテスト問題で、勝ちを見つけることよりも四手かけないと勝てないことをちゃんと認識できているかが重要です。ルール上Passは可能なのでVLM Analyzerでは受け手側ではPassを生成するようにしています。